Paphiopedilum venustum


このランのことは、
エリック・ハンセン『ラン熱中症』で読んで知っていました。
その後、植物園の温室で見て、「案外小さいな」と思ったのを覚えてます。


お正月に部屋に飾る花を見ようと思って、
S谷園芸に行ったのが運の尽きでした。
冷やかしのつもりでランの温室に入ったら、
豪勢なシンビジュームの間にひっそりいたのです、
このひとが。


パフィオペディルム ベヌスツム
パフィオは「女神のスリッパ」と呼ばれるそう。
花の下の部分(唇弁というそうです)が、スリッパみたいにふくらんでいる。
ここに落ちた虫は、消化されてしまう・・・のではなく、
体中に花粉をなすりつけられるらしい。
『ラン熱中症』では(ある蘭コレクターのコレクションの中でも)
「最も猥褻な見てくれの花」と紹介されています。


原種に近い(品種改良されていない)そうで、言われてみれば地味、
だけど、とても存在感がある。
見ようによっては、プレデターのようでもある。


初めてのラン。うまく育てられるかな。
今年の花はいいとして、来年咲かせられるかな。
わたしには多肉がいるのだし、「ラン熱中症」には罹らないように心せねば。